2016年12月11日日曜日

中国語の語順

语序是汉语最重要的语法表达手段之一,其中最重要的一个含义是,不同的语序一定具有不同的表达功能。(石毓智《汉语语法》,商务印书馆)

同じ一言でも語順を変えることでニュアンスを変えることができるのが中国語のいいところです。語順にあまり制約がないということは、語順はどうでもいい、ぜんぶ同じ意味になるということではありません。むしろ語順を自在に変えていくことでその場にぴったりなニュアンスを変えることができる。それは日本語の助詞に相当する「語法表記」がないため、漢字ご自身が自ら動いて意味を決めていくしかないのです。漢字ご自身に動いてもらう」というのは中国語を自在に使っていく際に肝になるかと思います。たとえば、

我不吃生鱼片——生鱼片我不吃——我生鱼片不吃

意味はだいたい同じですし、どれも間違った言い方ではありません。それぞれ特定の場面ではピタッとあう言い方です(試しに周りの中国人にこれらの違いについて聞いてみてはどうでしょう)。

さて、前にも申し上げましたが、中国語の一つの特性として、主語は話し手も聞き手も知っているもの(共有情報, “已知信息”)、目的語は知らない(未共有情報, “未知信息”)不特定のものが来るという強い傾向があります。これを英語の冠詞と絡めて考えてみるのも面白いでしょう。

中国語は英語のように基本的にはSVO言語です。英語は語順はがっちり定まってるところがありますが、それに比べると中国語は相当に自由です。英語では形態変化や冠詞によって細かいニュアンスを表します。「既知」「未知」は英語では定冠詞と不定冠詞で表現しますね。というか、「既知」「未知」の違いは何かというと、そこに区切りがあると感じられるか、というところに行き着くでしょう。知るという認識作用は無分節の世界を細分化することにほかならない。

1) I have read the book.
2) I have read a book.

これは中国語では

3) 书我已经看完了
4) 我已经看完书了

3)は、“书”が主語になっていることから、この主語はお互い「あの本」という認識を共有している。一方4)は、単に「ある本」というニュアンスを伝えている。同じ名詞でも、文中の位置によって含意が変化する。前者は“有定”、後者は“无定”を名詞に与えている。

同様に、

5) I have written the letter.
6) I have written a letter.

7) 信我已经写好了
8) 我已经写好书了

となります。

”钥匙在哪?”と聞かれた側が、“桌子上有钥匙”とは普通言わず、“钥匙在桌子上呢”と答えることでしょう。つまり話題になっていることを主語に持ってくる。あきらかに、語順によってニュアンスを変えてコミュニケーションしているのです。

おそらくこれはほんの入口で、本格的に調べていきたいですが怠惰な日々になさがれてしまい着手できていません…。

(参考: 石毓智《汉语语法》 第二章 基本语序与语法特征)

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