2016年12月4日日曜日

中国語を始めるなら



电影《不见不散》


中国語やってみよう!と思ったら

乾杯しましょう。なぜって、すばらしい思いつきだからです。その後は、さしあたってどうしようかとなりましたら下記を参考にしていただけたらと思います。


NHKラジオ中国語講座(入門編)を聴く
4月と9月に新シリーズが始まります。とりあえずそれまで待ってたらいいんじゃないでしょうか。「まだ何ヶ月も先だよ」という場合は、たとえば千野栄一の『外国語上達法』でも読んで外国語の勉強のコツみたいなものを学んでおくのも無駄ではありません。そしてテキストが発売されたら勇んでこれを買い求め(kindle版もありますけど、できれば紙の方がいいかな)、放送を録音して10回位聞きます。なるべく机に座ってテキスト見ながらじっくり聞きます。なにもむずかしく考えることはありません。自分が空の容器になったつもりで先生がたのしゃべるのを聞くだけ。例文は暗記。20回も音読すれば憶えられるでしょう。(憶えられないなら憶えるまで!)

NHKラジオ講座はもう何十年も放送されていて、蓄積されたノウハウをもとに、15分間x1セメスターで基礎固めができるように練りに練ったプログラムです。毎回少しずつ聴いているうちに、半年後にはその言語の輪郭がつかめるようになるなんてなんて効率的か!書店にあらわれては消える一般の入門書をやるより遥かに効率が良いのです。これを一学期(半年)つづける。特に発音はとても大事です。しっかり学ぶか適当に済ませるかで、その後の道のりがぜんぜん違ったものになります(できれば発音専門のテキスト『発音の基礎から学ぶ中国語』で繰り返し練習。絶対効果抜群)。続けるにつれて、イントロの音楽を聴くとある種の居心地のよさを感じたらしめたものです。

基礎固めができたら、地道に語彙を覚えていく。この段階ではまだ思ったことが全然言えない状態ですが、一気にブレークスルーしたいのなら、長谷川正時さんのシャドウイングで学ぶ中国語シリーズで鍛えていきます。このシリーズがいかにすばらしいかは別途書かなければと思っています。朝30分続けるだけで結構。とにかく効きます。

辞書を買う
電子辞書にはたいてい小学館の中日辞典、日中辞典が入っています。アプリだと、超級クラウンがおすすめ。それとはべつにやはり、紙の辞書も欲しいですね。これはハンディサイズというか入門レベルの語彙がわかり易く解説されているもの。これを常にかばんに入れておき、時折眺める。おすすめは相原茂先生による『はじめての中国語学習辞典』(朝日出版社)。

ぜんぜん関係ないんですが、植村直己が若かりし頃、北海道でトレーニングしている写真を見たことがあって、たしか『青春を山に賭ける』という著書の中でだったっけな、彼の手にはなぜか英単語帳が握られていました。語学をやるってそんな感じ。ある70年代のバックパッカーが貧乏旅行中『広辞苑』を携えていたそうです。なんでそんな重いものをもって歩くのかと尋ねられた時にこう答えたそうです。「枕になるから」。そんな感じ。つまり、「ボールは友だちだ」ではないですが、辞書は友だちです。

閑話休題。

文法書を買う
迷わず『Why?に答える 中国語の文法書』に決まりです。もっとも優れた中国語文法書の一つです。いや、「の一つです」ではなく「です」と言い切りたい(中国語ではこういううとき“没有之一”と言ったりします)。サーフェスの広告ではないですけど、「これさえあれば、何もいらない」です。文法書なんていらないと言う御仁が必ず出てきますが、文法は必要だというのが筆者の立場です。確かに、文法は無茶苦茶でも通じるわけですが(コミュニケーションってそんなものですよね)、外国語を学び、話すうえで大切なのは、日本語を話すのとまったく同じ思考回路で、つまり日本語をそのままなんとなくの中国語に置き換えるという形での表現には限界があるのではないでしょうか。すこしでも目標言語の論理や機微に近づこうとする謙虚さこそグローバル社会では求められるものだと考えるものです。文法学習は、だから日本文法の論理と中国語文法の論理の違いを学ぶというのはそのまま異文化理解をする姿勢そのものです。このへんのことについてこれ以上ないほど的確に表現し尽くしているように思われる文章が、片岡義男の『日本語の外へ』に収められています。ぼくはこの本を夏の暑い盛りに冷房がよく効いた日比谷図書館で読んだのですが、あまりに同意できる内容で、粉微塵になるほど衝撃を受けた次第です。

中国に行く
今はLCCで2万円台、下手したら1万円台で簡単に上海に行けちゃいますね。半年から1年くらいしたらとりあえず行ってみる。とりあえず中国の喧騒に身を置く、あらゆる音を聞く、あらゆる食べ物を食べる、あらゆる乗り物に乗る、路地という路地を歩いてみる。出来る限り話しかける。相手の話す中国語を必死になって理解しようとする。なんかわくわくしてきませんか!

「私は私の訛をもって、世界の響きに合流する」 
(うろ覚えの引用。管啓次郎『オムニフォン』)
いや、ちゃんと原書を参照してきちんと引用しようか。(パイプをゆるりとくゆらせながらおもむろに椅子から立ち上がり地下一階の電動書庫まで降りていく・・・嘘)
私とは私がこれまでに耳をさらしたすべての音の集積にすぎないと、ぼくは思うようになった。 私は私の訛りをもって、私の遍歴を証言し、世界の響きに合流する。 私はカタコトによって日々の策略を開発し、意味もよくわからないまま未知の言葉を使い、相手の反応によってまた音声を調整する。 
とりあえず、動く。 とりあえず、その場で話す、生きる。 
(管啓次郎『オムニフォン〈世界の響き〉の詩学』岩波書店)
ああ、なんてすばらしい文章だろう。世界の響きに合流しよう。発音なんて気にしないで、「とりあえず、その場で話す」ことに集中しよう。その、あなたがこれまで響かせてきた発音の仕方をアレンジしてなんとか中国語に近づけようと試みる「訛」で経験する世界は、あなたの他に誰にもできないのだから。傍観者でいることから、世界の響きに合流することで見えてくる世界、経験できる世界は語学を学ぶ醍醐味であり、AIがいくら台頭してこようと、学習者が外国語を学ぶことをやめることはないでしょう。

閑話休題。

南京東路の裏側、福州路にそびえる「上海書城」の中国語コーナーでCD付きの初級から中級の中国語テクストを買い求める(ついでに自分の専攻や興味のある分野の本も買ってみる。たとえば村上春樹作品の翻訳や、英語辞典でもいいし、あるいは株の本、地図、書道ガイドなんてのも)。おすすめは《博雅汉语》シリーズ。NHKラジオ講座の次に暗記するのはこれらのテキスト課文です。さらに、早朝にどこかの大学の構内を散歩しながらテキストを朗読するのも乙です。思わぬ出会いもあるかも。おそらく何人かの大学生が大声で英語のテキストを朗読しているでしょう。そういう雰囲気もまぎれもなく今の中国。泊まるところはできればユースホステルのドミトリーがいいです。いろいろ話ができるからです。

ちなみに大陸と台湾の中国語は微妙に違います。たとえば大陸では「南方」と言うけれど台湾では「南部」とも言ったりするし、簡体字と繁体字の違いもある。発音も、基本的には聞き取れないほどの違いというほどではありませんが、たしかに違う。大陸だと台湾の方が人気があるみたいですが、ぼくは大陸の方が合う気がします。これは好みの問題ですけど。そして大陸によっても地方によってかなり発音が違う。でもその違いがわかる様になるのはたぶん3年位してからかなあ。経験的に。

ネット
作文は、Lang8 にどんどん書いて添削してもらいましょう。いかに多くの中国人が進んで添削してくれるかがわかり、感激すると思います。英語で書いて発表しても欧米人はほとんどなにもしてくれないです。あとはウェイボーや豆瓣なんかもいいし、もちろん微信やQQも必須。

映画、歌
映画も歌も、何度も観たり聴いたりする。発音の練習に、ムッチャなります。


大事なことは、途中で「挫折」しないように、頑張ろうとせずゆっくり勉強していくこと。中国語がわかるようになってくると本当に世界が広くなります。ビジネスで使うとか、趣味で始めたいとか動機はさまざまでしょうけれど、日本の隣に広がる巨大で不可思議で無限に面白い「中国」に分け入ってみることができる必要なツールです。誰かが言ってました。「一つの言葉だけでは世界を理解することはできない」って。グッドラック。








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