2017年5月29日月曜日

なんで!

老舎《骆驼祥子》をもう一回読みたいかな。かれは一生懸命働いて車を買うんだけどその度にひどい出来事が起こって車を失う。でも諦めずに何度もトライする。それって別に悪いことじゃないんじゃない?とはいえこういうのが個人主義の成れの果てなんだと最後に作者は書いている、非常にやりきれない話。後味悪かったよなー。町田康『宿屋めぐり』なんかが雰囲気似てる気がする。

その人力車夫の主人公はここぞという時に悲運に巡り合わせるわけだけどその時「なんで!」と叫ぶ。その「なんで!」は、フォースター『インドへの道』の「バウム Boum」や、太宰の「トカトントン」と同じく、世界文学のなかでも屹立する響きだと思う。

これは原文では “凭什么! Píng shénme” 。

“为什么”かなと思ってたけど原文は読んで見るものですよね。“凭什么”は、“为什么”という単純に理由を詰問するだけでなく、世界というものが意思を持っているとして、あるいは神さまなんてものがいるとしたらの話だけどそこに何らかの悪意なり不条理なりを感じ、なにを根拠に(“凭”)あんたはそんなことをするんだというような怒りも含まれているように思う。

日本語訳は『駱駝の祥子』(岩波文庫)

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