ネイティブの中国人でも間違う“的”、“地”、“得”の使い分け

2014年7月14日月曜日

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中国語学習者として、入門段階で学ぶことに、“的”、“地”、“得”の使い分けがある。

それを注意深く使い分けてチャットとかしていると、逆に驚かれる。「的とか得とかちゃんと使い分けられてる!すごい!」なんて。ほとんどお世辞なんだけど、でも実際ウェイボーとか見ててもまともに使い分けてる人なんてあまり見かけない。人民日報のウェイボーでも、「得」とすべきところを「的」にしたりしていて、そのたびに直したくなる。

三つとも発音は全く同じ de (軽声)だし、後ろにつく詞の種類をいちいち考えてられないといえばいえる。

この使い分け問題についても、阿城の《孩子王》に出てくるので紹介したい。「わらっぽ」と呼ばれるやせた青年が、教師になるよう上から命令を受けたとき、果たして自分が教師なんてできるのかと、独り言を言うようにして、友達のラオヘイに言う。

“墨是黑下一个土。的是名词、形容词连名词,地是形容词连动词,得是——得是怎么用呢?” 老黑说:“别穷叨叨啦,知道世上还有什么名词形容词不错,就能教,我连这些还不知道呢。我才算了小学就来这儿了,上学是念语录,唉,不会有出息啦!”
阿城《孩子王》

「「墨」は黒の下に土。「的」は名詞、形容詞を名詞とつなげる。「地」は形容詞を動詞につなげる。「得」は……、「得」はどうやって使うんだっけ?」 ラオへイは言った。「ぶつぶつ言うなよ。この世に名詞だとか形容詞だとかがあるって知ってるだけでもたいしたもんなんだから、教えられるって。俺そんなことすら知らねーし。小学校出てからすぐここに来、学校で語録(毛沢東語録)を読まされた。ああ、こんなんじゃ出世もなにもねーし」
(筆者訳)

“的”は、定語(うしろの名詞の意味を定める。連体修飾語のこと)と、それによって修飾される名詞をつなげる。“我的书”(「わたしの本」),“我们一起追的女孩”(「ぼくたちが夢中になった女の子」)など。

“地”は、状語(連用修飾語)と後ろの動詞をつなげる。“激动地说”(「どきどきしながら話す」), “不停地说着”(「ぶっつづけに話し続ける」)。

では、“得”はどうか。これは動詞や形容詞の後ろに置き、程度や結果を表す補語とつなげる役目を果たす。中国語では動詞はその動作だけを表し、程度や結果まで表さないので、「程度補語」や「結果補語」が発達している。そういう特質を理解すると“得”はとてもかけがえのない詞だと思う。決して「的」に代用されるようなものじゃない。

“说得很清楚” (「意味がはっきりわかるように話す」)
“高兴得几乎跳起来了” (「うれしくて小躍りしたくなるほどだ」)




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